お客様へ 2020.4.21

 

2020423日より、宿泊を伴う営業活動を無期限で休止します」

 

感染の不安と向き合いながらの生活に、心が休まらない日々をお送りかと思います。

また、いつ収束するかもわからない状況の中で、大変な思いをされている事業者の皆様は、更に大きなストレスを抱えていらっしゃる事でしょう。

私も、そういた事業者のひとりです。

先が見えない日々が続きますが、気持ちをしっかり持って乗り越えましょう!

 

緊急事態宣言が全国に出されました。それに伴い、各地域の首長に判断と権限が移っています。

地域外からのお客様に楽しんでいただく観光関係の事業者として、どう対処したら良いのか、何かしら方針や要請があるものと思い待機していますが、現状、各事業者に連絡は来ていません。

県のサイトで、以下のお願いが掲載された(420日)のみ、という状況です。

 

事業者・団体等の皆様におかれましては、次のとおり感染予防の徹底をお願いいたします。

遊戯施設、遊興施設等、不特定多数の人が集まる施設等においては、感染防止の観点から設備の定期的な消毒、来店者への手指消毒の呼びかけ等に取り組むとともに、観光施設等に人が集中するおそれがあるときは、当該施設の入場者の制限等、適切な対応をお願いいたします。

 

要約すると「これまで通りの営業をしつつ、感染防止の適切な対応をするように」ということで、具体的な業態をあげて営業の制限を示す、という情報は全く含まれていません。

既に、当面の休業を決めた事業者やエリアがありますが、おそらく、個々の事業者や関係団体の判断によるものだと思われます。

 

当館で提供するサービスのうち、感染防止の対策が最も難しいのが宿泊サービスです。共有部分を24時間適切に管理することは現時点では困難です。そのため、まず宿泊のサービスから休止することを決めました。

シーカヤックレンタル、BBQテラスは、3密を条件をクリアでき、お客様を県内や市内に限定する等、移動要件を満たすことができれば、現時点では県からのお願いに従って、適切なサービスが提供可能と考えています。

 

今後、感染の状況が変化したり、首長からの指示や要請が新たに加わった場合は、宿泊以外のサービスも休止する可能性があります。

必読・女将マサコについて

2017年4月1日、女将マサコはクモ膜下出血により急逝いたしました。

 

<初めて小竹屋旅館を利用される方必読・女将マサコについて(長文)>

 

小竹屋旅館の前身、浜茶屋「小竹屋」から現場を取り仕切ってきた、女将マサコ。

小竹屋旅館のサービスを形作ってきたのは、女将マサコのキャラクターそのものと言ってもいい。

 

昔から、鯨波海水浴場界隈では”武闘派” ”強面”として知られ、地元の威勢のいい親爺連中からも一目置かれる存在だ。

時にその豪腕で、お客様を震えあがらせることもあった。

マサコに会うのを毎年楽しみにやってくる常連のお客様がいる一方、マサコに叱られ、二度と訪れることのないお客様もいる。

小竹屋旅館でのひとときを楽しい思い出にできるかは、この女将マサコをいかに「攻略するか」にかかっている。

 

そもそも、お客様を叱りつけるなど、サービス業としてあるまじき行為だろう。

日頃、当たり前のように受けている「お客様本位」のサービスに慣れきっていると、代金を払っているのに叱られるという状況は、まず、すんなり受け入れられることはない。

しかし、マサコはこの「俺流」を半世紀に渡って貫いてきた。

その訳は…

 

マサコはプレイングマネージャーである。

可能な限り現場のトラブルを無くすために、どういったマネジメントが最適なのかを考えてきた。

その結論はこうだ。

 

「現場で発生するイレギュラーを極力無くすことで、トラブルの種を作らない」

 

小竹屋旅館のスタッフは、皆さんが想像するよりも少ない。

ベテランのお姉さん達の見事なチームワークで人数の少なさをカバーし、効率よく仕事を回しているが、ちょっとしたことがきっかけで、ミスが生まれる。

食事の内容が予約したものと違った、人数分の食事が用意されていない等、特に食事に関わるものが多い。

ベテランが苦手とするのが、イレギュラーへの対応である。

ルーティンの中で発生するイレギュラーこそ、トラブルを招く最大の要因だと、マサコは経験の中で知っている。

館内に目を光らせながら、イレギュラーの発生を未然に防ぐために、時にはマサコの少々荒っぽい仕切りが必要となることも少なくない。

 

お客様の自由度を可能な限り高めるサービスが主流となっている。

マサコのスタイルは、時代に逆行しているともいえる。

しかしその真意は、お客様にも協力していただいて、それほど多くないルールをみんなで守ることで、結果すべてのお客様に気持よく過ごしてもおうというものであり、これが半世紀貫いてきたマサコの流儀だ。

今どき、そんなサービスの提供方法は考えられない、そう思われる方は、別の宿を探されることをおすすめしたい。

自由度が高く、多少のルール違反をしても女将に叱られない宿は、ほかにある。

 

マサコも、決してルールでがんじがらめにしたい訳ではない。

いくつか、必ず守って欲しいルール、それだけをしっかり守って欲しいと思っている。

そのルールが、これだ。これを守らない時、マサコは容赦なく叱る。

 

・事前に何度も、宿泊人数や内容を変更しない

・夕食の時間を守る

・チェックインが夕食時間に間に合わなそうな場合は、すぐに電話をする

 

ネット予約全盛の今、事前の予約変更はすきなだけでき、いくつかの選択肢から食べたい料理を食べたい時間に食べる、こんなことが当たり前にできるようになったが、マサコのルールは違う。

その利便性の裏に、いくつものトラブルの種が潜んでいると考えているからだ。

 

さて、これもある意味ではルールのひとつであるが、ぜひ注意して欲しいことがある。

それは「砂」だ。

ひと夏の間に、館内に持ち込まれる砂の量は、みなさんの想像を絶する。

トイレやお風呂場で、お客様を不快にさせるこの砂の侵入を、マサコは心の底から憎んでいる。

玄関先で、お客様の足元についている砂を見つけては、「コラ~!足!砂っ!」と毎日毎日怒っているのはその為だ。

砂のついた足で、館内のトイレを使っているのを見つかろうものなら、ものすごい剣幕で怒られるだろう。

トイレのドアに大きく書かれた「水着の人は使えません」の意味は、砂を持ち込まないで、なのである。

 

更に近年、マサコをピリピリさせているのは、主に若いママさん達による洗濯だ。

小竹屋旅館は、宿泊客用に無料で使える洗濯機を用意している。

しかし、それは二槽式だ。

二槽式にしている理由は、少ない水で、短時間ですすぎ脱水を行えるからで、これは全自動よりも遥かに優れている。

ところが、若いママさん達は二層式を使ったことがない方も多い。

水も入れずに洗濯槽に衣類だけを入れてプロペラを回したり、脱水槽に偏りなく洗濯物を入れられず大きな音で脱水機を回したり、そのたびマサコの逆鱗にふれるケースが増えてきた。

耐えかねたマサコは、夕方になると洗濯機の横で仁王立ちし、お客様から洗濯物を奪い、自ら洗濯役を買って出るようになった。

お客様はマサコに洗濯物を託し、その間に夕食をとることができるため、結果的に双方にとってメリットがある新サービスとして好評を得ている。

どうか遠慮なく、この洗濯妖怪に洗濯物を託して欲しい。

 

 

こうして、女将マサコについての情報を公開しているのには訳がある。

それは、マサコのスタイル、ルール、流儀、そうしたものが通用しにくい時代となり、お客様からクレームをいただくことが増えてきたからだ。

それならそうならないようにサービスを変えれば良いではないか、といわれるのも当然である。

しかし、この小竹屋旅館という宿は、マサコそのものであって、マサコの流儀を変えてしまっては、それは小竹屋旅館ではなくなってしまうという結論に至り、原則、これまでのマサコの流儀に手を加えないこととなった。

事前に守ってほしいルール、マサコの流儀を知ってもらうことで、少しでもお客様の求めるものとのミスマッチを減らしたい。

 

世の中には、様々なサービスの提供スタイルがあっていいと思っている。

支持されなければ淘汰されるだけで、こうして小竹屋旅館が半世紀にわたって営業を続けていられるのも、そんなマサコの流儀を受け止め、また積極的に楽しんでいるお客様がいるからだ。

毎年、マサコに会うのを楽しみに来てくださっているお客様がたくさんいるのもまた事実である。

 

マサコの”武闘派” ”強面”の一面ばかりを強調して書いたが、もちろん、そうではない面もある。

むしろ、そうではない面の方が多いわけだが、そこは、みなさんが小竹屋旅館を訪れて、マサコと触れ合って感じて欲しい。

人知れず、新潟の海辺に棲息している、昭和の肝っ玉かあさんという絶滅危惧種を見にくる感覚で、マサコの行動を受け止め、小竹屋旅館でのひとときを楽しんで欲しいと思っている。

ただ、ルールを守らないとどうなるか…そこは肝に銘じていただきたい。

 

 

 

 

 

 

新潟の海水浴場は鯨波、小竹屋旅館

小竹屋旅館

945-0855

新潟県柏崎市鯨波2-3-6

0257-23-6450